MAT式ドローイン分娩法
MAT式ドローイン分娩法とは
MAT式ドローイン分娩法とは、インナーユニット(体幹筋)を使う呼吸法を分娩に取り入れたものです。
一般的にインナーユニット(体幹筋)で囲まれた部分を腹腔と呼び、その中の圧力を腹腔内圧と呼んでいます。
分娩時は腹腔内にある子宮が収縮することは皆さんご存知の通りですが、その子宮をホールドしているインナーユニット(体幹筋)を分娩時、意識的に動かし腹腔内圧を上げる方法を私達はドローイン分娩法と名付けました。
腹腔内圧を有効的に上昇させることが出来ると、分娩が正常に進みやすいのでは?と仮説を立て、さまざまな試みをしてきました。
その結果、分娩第1期では児頭の下降促進、正常な回旋・進入が促されることや、分娩時間の短縮、母体の自律神経が整うことなどの効果がみられています。
更に分娩第2期で10秒以上呼吸を止めることがないため急激な胸腔内圧の上昇がないことから血圧の安定や、眼球結膜下溢血が起きず、胎児の酸素化にも有効です。また、インナーユニットを使用することにより腹直筋離開が起こりにくくなる等の効果がみられています。
ドローインとは元々運動器領域で使われている言葉・方法ではありますが、運動器の視点に基づき妊産婦の解剖・生理を理解し、幾つかの要点を押さえれば、今後皆さまの助産ケアとして大いに役立つと考えています。
是非、ドローイン分娩法について理解し、実践出来るよう学んでいただけますと幸いです。
分娩にドローイン呼吸法を取り入れた回旋正常率(MAT調べ)

ドクターメッセージ

【資格】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
日本産婦人科遺伝診療学会 認定医(周産期)
神奈川県⺟体保護法指定医
日本医師会認定 健康スポーツ医
日本スポーツ協会公認 スポーツドクター
女性ヘルスケア アドバイザー
周生期医療支援機構 プロバイダーコース修了
日本周産期・新生児医学会Aコース修了
下田産婦人科医院 副院長
下田 隆仁 先生
【無痛分娩・和痛分娩を行う方に対しての新しい呼吸法:ドローイン呼吸法について】
当院では無痛分娩・和痛分娩の全症例に対し、解剖生理学に基づいたドローイン呼吸法を取り入れた分娩方法を推奨しております。ドローイン呼吸法とは、インナーユニット(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜)を連動させる呼吸法のことです。無痛分娩(硬膜外麻酔)は痛みを取ることを目的としていますが、無痛分娩により遮断される神経領域のインナーユニットを弛緩させるため、腹腔内圧が上昇しづらい状況となり、結果として胎児の回旋異常や分娩停止に至ることがあります。和痛分娩の関しても無痛分娩ほどではないですが、骨盤底筋の弛緩に伴い自然分娩と比較して回旋異常が発生しやすい状況が存在します。一般的に自然分娩の場合、特に骨盤底筋群が児頭の回旋に大きく影響し、反射的に収縮と弛緩を繰り返すことで児頭の内旋と下降を調整していますが、無痛分娩や和痛分娩の場合は骨盤底筋が弛緩することで骨盤底にスペースができるため児頭が外旋方向へと旋回し、回旋異常を起こすことや器械分娩率が上昇すると考えられています。また回旋異常に伴う分娩遷延は麻酔薬や分娩誘発に用いる促進剤の総投与量の増加にも影響を及ぼします。
当院ではこの有害事象を防ぐ目的として、解剖生理学に基づいた新たな呼吸法に着目し、臨床応用しています。ドローイン呼吸法を用いた分娩介助を習得した有資格者(MAT式ドローイン分娩法®スペシャリストおよびサステーナ式®骨盤ケアプロバイダーの両資格保有)による安全な分娩をご提供致します。
※当院のお産は和痛分娩または無痛分娩を全例で実施しておりますが、上記の有資格者による呼吸法と併せることで経腟分娩率が高いことが特徴です。直近3年間の帝王切開率は5.7-7.5%(うち分娩停止帝王切開率は1.3-2.2%)であり、母体適応や胎児適応以外のほとんどの方が経腟分娩に至っています。
受講者インタビュー


